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おそらのうえで。

おそらのうえで。

*せんせい*

 

 あたしは生徒で

     あなたは先生。

 でもそんな関係も

       もうちょっとでしょ?


 *せんせい*


 「あたし本気で先生のこと好きなのに」


 そんなあたしの言葉を


 「はいはい。先生も大好きですよぉ~。
   だから宿題やってね」


 先生はいつだって

 本気になんかしてくんない。


 「したらおでこにちゅvってしてくれる?」


 あたしがおでこゆびさしたら


 「テストで100点取ったらね」


 ぺちんって叩かれた。



 あなたは先生で

 あたしはあなたの生徒。


 無理矢理入れられた個別塾で先生に出逢って

 一目惚れだったんだ。


 「先生、彼女とかいるの?」


 「先生にはもう奥さんと子供がいるんです」


 「うっそぉだぁ~」


 「うそだけど」


 「なにそれ」


 先生のことはなんでもしってるよ。


 先生は今20歳で

 大学生やってんの。

 大学では教育学部に所属してて
 
 将来は学校の先生目指してるんでしょ?


 彼女はいないって調べ済みだもん。



 「ねぇ、先生のこと好きだよ?」

 
 何度言っても

 先生は聞いてくんない。


 「ほんとに好きなんだもん」


 あたしは真剣だよ?


 「俺、犯罪者にはなりたくないよ」


 先生はそう言って笑うけど


 「たった5歳違いなだけじゃん。
   春になったら高校生だよ?もう
  子供じゃないもん。」


 先生が思ってるほど

 最近の中学生は子供じゃないよ?


 「充分子供だよ」


 先生との時間は

 一週間に80分。


 
 ねぇ、先生。

 春になったらね


 「春になったらあたし、
  先生の生徒じゃなくなるもん」


 もう

 先生が言うような

 禁断関係にはなんないでしょ?

 だから


 「だからその時はちゃんと
   真剣にあたしの話聞いてくれる?」


 先生と生徒じゃなくって

 一人の男と一人の女として

 あたしの話聞いてよね。


 「ちゃんと聞いてほしいの」


 笑い飛ばさないで

 ちゃんと真剣に考えて?


 あたし、ほんとに先生が好きなんだもん。


 きっとあたし

 美人になっちゃうよ?


 きっと先生

 あたしのこと好きになっちゃう。


 っていうか

 させちゃうんだから。


 覚悟しといてよね、先生。




 「じゃぁまずは春に高校生になって
   またこうやって俺が先生にならんよう
  しっかり勉強してくれません?」


 でももうちょっとはやっぱ

 先生には勝てないね。




 でもね

 この寒い冬があけたら

 春がきて

 あたし、一つ大人になるんだもん。



 先生にいつまでも

 こどもあつかいさせてやんないよ。









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bbs

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